用語集(検査値編(1))

今月は、検査値です。病院や介護保管施設でのNST活動や栄養管理計計画作成にも、すでに活用されているかと思いますが、利用度の高い項目を集めてみました。

用語例 意味
Alb
(アルブミン)
Albuminの略
肝臓で生合成され、臨床検査では肝機能や栄養状態の指標とされる(Albという略号で表示されることが多い)。また、血漿たんぱくの60%を占め、内臓たんぱく量の指標ともされている。血中半減期が17日〜23日と長いので栄養指標としての鋭敏さは劣るが、測定が容易である。
RTP
(アール・ティ・ピー)
Rapid Turnover Proteinの略
(血液・生化学的指標)RTPには、PA:トランスサイレチン(プレアルブミン)1)、Tf:トランスフェリン2)、RBP:レチノール結合蛋白3)、があり、これらはアルブミンと同様に肝臓で合成されるたんぱく質。血中の半減期が短く代謝も早いので、栄養状態に鋭敏に反応する。代謝動態が著しい患者の、内臓たんぱく質量の推定に適した指標である。
1)PA
(プレアルブミン)
Prealbuminの略
そのほとんどが肝臓で合成される。血中濃度は肝臓での蛋白合成能の指標になり、腎機能障害時に増加し、肝硬変や肝炎甲状腺機能亢進症で低値となる。栄養状態や肝障害の早期診断に役立つ指標である。
2)Tf
(トランスフェリン)
Transferrinの略
肝臓で合成される糖たんぱくで、血清鉄のキャリアたんぱく質としてヘモグロビンの合成や鉄代謝に関与する。慢性失血、鉄欠乏性貧血で上昇し、慢性感染症や肝硬変、鉄過剰症、ネフローゼ症候群で低下する。
3)RBP
(レチノール結合蛋白)
Retinol-binding proteinの略
主に肝臓で生成される。腸管より吸収されたレチノールはいったん肝臓に貯蔵され、RBPと結合して血中に分泌される。半減期が12〜14時間と短いため、短期間の栄養状態の変動を捉える有用な指標となり、術前の栄養状態の把握などにも用いられる。
◎ 血清たんぱく質での栄養状態の指標
  高度低栄養 中等度低栄養 軽度低栄養 正常 半減期
Alb 2.0 g/dl以下 2.1〜3.0 g/dl 3.1〜3.4 g/dl 3.5 g/dl以上 17〜23日
PA 5.0 mg/dl以下 6〜10 mg/dl 11〜15 mg/dl 16〜40 mg/dl 2〜3日
Tf 100 mg/dl以下 101〜150 mg/dl 151〜200 mg/dl 201〜400 mg/dl 7〜10日

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