今日の管理栄養士・栄養士を取り巻く環境は大きなウネリの中に引き込まれた状況であるといっても過言ではないでしょう。「健康日本21」の提言以来、栄養士法の一部改正から健康増進法の制定、栄養教諭制度の施行、また近日では食育基本法の成立、昨年10月の介護保険制度の改正、今年4月の食事療養制度の改正などがあり、われわれの業務の成果が今後の管理栄養士・栄養士という職能を左右するとまでいわれており、これらは管理栄養士・栄養士に対する社会のニーズの変容と捕らえる必要があると考えられます。
しかし、我々はそれらを現実のものとして捉え、理解していないのが現状ではないでしょうか。
社会や国民から付託された課題に対し、会員一人ひとりが自負と自覚をもってその課題を共有化し解決していくことが重要であります。
また、会員益・会益・公益をどのように産出していくかが組織としてのもう一つ課題であると思います。与えられました副会長の職責を力一杯こなし、管理栄養士・栄養士が社会のニーズに応え一層活躍できるよう栄養士会事業に精力的に取組んでいきたいと思っております。
最後になりましたが会員の皆様の益々のご健勝を祈念しまして副会長就任の挨拶とさせていただきます。
このたび、平成18年度尅蜊纒{栄養士会総会におきまして、副会長に再任されました。酒井会長、藤原副会長とともに本会のけん引役の一員として、皆様のご協力を得て、社会の発展につながる本会の充実に取り組んでまいります。
さて、サッカーワールドカップのグループリ−グが始まりましたが、テレビをご覧になっていますか。寝不足ですか。スポーツの世界、経済の世界とさまざまの分野でグローバル化は急速に進んでいます。ひとつのエリアに閉じこもると言うわけにはいかなくなりました。管理栄養士・栄養士もグローバル化に対応ということですが、アメリカに20年は遅れていると言われる中では、むつかしいところです。しかし、その兆しはあります。
先日の本会総会で、全国地域活動栄養士協議会発行の「新規事業企画のためのマニュアル」を読む機会がありました。その冊子には、全国地域活動栄養士協議会の会員の活動は、今や起業栄養士の時代に変わりつつあります。そこで、本誌は、糖尿病予防および高齢者低栄養予防を軸として新規事業の進め方を実践的に解説いたしますという旨が書かれていました。2002年に日本栄養士会が出した「管理栄養士・栄養士の新職域開拓のための研究報告」を思い出しました。そこには、起業栄養士として想定される分野として、 次のようなものがあげられていました。ク関連機関等との連携による企業化→A在宅栄養管理 B関連機関タイアップ事業 C事業者向け食教育企画会社 D健常者対象の食教育イベント会社 E卒後教育スキル習得専門会社 Fビジネススクール G調査・研究会社 ケ栄養・食生活コンサルタント コフードジャーナリスト サフードスタイリスト シプロパー ス料理・菓子研究家、の以上です。世界中の栄養士・栄養学者が信じている大原則「人の栄養状態を良くすれば健康の維持・増進、疾病の予防や治療、さらに再発防止に貢献できる」についての知識・技術を学び、会得した上でこれらの新職域でも活躍していただけるよう本会も努力しなければならないと考えております。 管理栄養士・栄養士って働き甲斐のある職種じゃないですか。